愛着ある土地で「相続」を「争続」にしないための境界確定のすすめ!

・相続で子供たちが困らないように境界を決めておきたい
・生前に相続する土地を決めたいので土地を分割したい

このように思われて検索されたのではないでしょうか?

現在、相続に関心を寄せている方が多くなっていると感じます。
多くの書籍やホームページなどが非常に多いです。

皆さんの関心は、「相続」の中でも「相続税」が最も強いのではないでしょうか?
これは、支払わなければならないので当然だと思います。

お金とは別問題で「相続」には大きな問題があります。
別問題とは、言ってもこちらもお金が絡む大問題です。

・「私がお父さんの面倒を最後まで看たから、実家の土地は私が相続する」
・「俺は長男だから実家の土地をもらう権利がある」

このような問題は、少なからずあります。
人間は欲があるので多くの財産をもらいたいと思うのが本音だと思います。

「相続」が「争続」にならないようにするためには、生前に親子できちんと話し合ってどうするのかを決めておくのがベストだと思います。

そのためにも「境界確定」や「分筆登記」等はとても有効な方法です。
この記事では、「相続」を別な角度から見て書いていますので参考にしていただければ幸いです。

1 相続対策で「境界確定」は必要なのか?


相続対策で「境界確定」は必要です。

昔は家督相続と言われ、その家の長男が遺産全てを引き継いできました。

しかし、このような制度は廃止され、一般的には下のような相続になります。

 

現在、相続のことを考えられている方は、このような家族関係の方が多いのではないでしょうか?

・長男が二世帯住宅を建てて両親と一緒に住んでいる。
・遺言で長男や長女に土地を相続させる。

このような方は、相続問題は生じないと思います。

しかし、
・長男も長女も既に自宅を購入していて実家に住むつもりはない。
・子供に迷惑をかけたくないので、土地を売却して老人ホームに入居する。

このような方は、相続対策として「境界確定」をおすすめします。
なぜ相続対策として「境界確定」が必要なのかですが、理由は3つあります。
①相続税納税の申告は10カ月以内にやる必要がある。
②土地を分割するためには、境界確定が前提条件。
③土地の境界を知っている人が確定しておく。

それぞれについて解説します。

① 相続税納税の申告は10カ月以内にやる必要がある。
申告期限を超えてしまう可能性があるから
納税資金を作れない可能性があるから 
相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。
国税庁HPより引用

納税資金を用意するために土地を売却しなければならない。
このようなケースは少なくありません。

最近の土地の売買は、境界確定を行うことが主流となっています。
そのため納税資金を作るための売却も境界確定が必要となります。

境界確定は、土地の面積、隣接地の数、道路の確定の有無等によって確定までの日数が異なりますが、状況によっては1年以上といった場合もあり得ます。

このような場合、納税資金が作れないということになります。
そのため、相続対策として「境界確定」をやるべきなのです。

②土地を分割するためには、境界確定が前提条件。
土地を相続人全員で相続するというケースもあります。
このような場合、全ての相続人が土地を持ち続ければ問題にはならないのですが、そのうちの一人でも土地を売却したいと考えた場合は土地を分割する土地分筆登記が必要となります。

土地を分割するための土地分筆登記を申請するためには、境界確定が前提条件となります。
納税のための売却よりは時間的猶予はあると思いますが、境界確定は状況によっては1年以上の期間を要する場合もあり得ます。

相続人のためにも相続対策として「境界確定」はやるべきです。

③土地の境界を知っている人が確定しておく。
土地の境界は、境界について知っている人が責任をもって確定すべきです。

我々も土地の境界確定を業としてやっていますが、相続人の方が境界について知らないというケースが非常に多いです。

我々は境界の位置を特定することが仕事なので測量をして様々な資料を検討して境界を特定して隣接の所有者の方と境界の確認をします。

その確認の際に「亡くなられたお父様との間で境界はここに決まった」と言われる隣地の方もいらっしゃいます。

もちろん我々が特定した境界の位置と異なれば、その旨を伝え確認していただきますが、納得されない方もいらっしゃいます。

このような事を防ぐためにも相続対策として「境界確定」はやるべきです。

境界確定について詳しくお知りになりたい方は、「土地の価値を高めるための境界確定のすすめ」をご参照ください。

2 境界確定以外の土地の相続対策  

境界確定以外の土地の相続対策としては下記の3つがあります。
①土地分筆登記
②土地地積更正登記
③土地現況測量

それぞれについて解説します。

①土地分筆登記
相続した土地を相続人全員で所有する場合は、共有持ち分となります。
例えば1章の図であれば母4分の2、長男4分の1、長女4分の1となります。

このような共有でなく事前に相続させる場所を決めておくには分筆しておく必要があります。

上の図にように相続発生前に1-1の土地を母と長男に相続させる、1-7の土地を長女に相続させると決まっている場合は、事前に分筆登記をしておき遺言書に記載しておくことによりスムーズな相続手続きができます。

土地分筆登記について詳しくお知りになりたい方は、「分筆とは?安全確実な登記方法について土地家屋調査士が徹底解説!」をご参照ください。

②土地地積更正登記
1章で解説した境界確定をさらに一歩進めたのが「土地地積更正登記」です。

この登記を行っておくことにより法務局に地積測量図が備え付けられます。
公的機関に図面が保管されますので安心・安全な土地になります。

土地地積更正登記について詳しくお知りになりたい方は、「土地地積更正登記とは?正しい面積に修正して自分の土地を守る方法!」をご参照ください。

③土地現況測量
土地現況測量は、土地の現状を図面にする測量です。

我々土地家屋調査士に税理士から相続税の計算で使用するので自宅部分、駐車場部分、道路部分等分けて求積してほしいとの依頼があります。

これも事前にやっておくことによりスムーズな手続きができます。

土地現況測量について詳しくお知りになりたい方は、「【境界の専門家が解説】現況測量とは?土地の現況を知るための第一歩」をご参照ください。

3 「相続 境界確定」のQ&A

我々土地家屋調査士が、お客様からよく聞かれる「相続 境界確定」についての質問をQ&A形式で下記にまとめてみました。
参考にしてください。

章立てして、しっかり解説してあげてもよい

Q事前に境界確定はできるのか?
Aはい、相続発生前にやることが望ましいです。
Q境界確定は誰に依頼すればいいのか?
A土地家屋調査士にご依頼ください。
   土地家屋調査士は土地家屋調査士法第1条で土地の筆界を明らかにする業務の専門家とされています。
土地家屋調査士について詳しくお知りになりたい方は、「土地家屋調査士が解説する土地家屋調査士とは?」をご参照ください。
Q境界確定にかかる期間は?
A1カ月半~6カ月以上かかります。
   境界確定は、土地の面積、隣地の数、道路確定の有無によって期間が変動します。
   境界確定の期間について詳しくお知りになりたい方は、「土地の価値を高めるための境界確定のすすめ」をご参照ください。
Q境界確定にかかる費用は?
A40万円~100万円以上かかります。 
   境界確定は、土地の面積、隣地の数、道路確定の有無によって費用が変動します。
   境界確定の費用について詳しくお知りになりたい方は、「境界線を測量する費用っていくらなの?土地家屋調査士が解説します」をご参照ください。
Q境界確定はどのような流れでやるのか?
A境界確定の流れは下図のようになります。

境界確定の流れについて詳しくお知りになりたい方は、「土地の価値を高めるための境界確定のすすめ」をご参照ください。

4 まとめ

相続と境界確定について解説しました。

多くの記事が、相続が発生したらどうしたらいいのかを解説していますが、相続が発生したときに冷静に判断して最適な相続手続きをやれる人はいないのではないでしょうか?

現在は、予防医療や未病が代表されるように、相続においても「転ばぬ先に杖」事前準備をしておくことが重要です。

この記事は、土地家屋調査士から見た土地を相続するために事前にやっておいた方がいい「境界確定」について解説してきました。

売却をするにも、土地を分割する分筆登記をするにも「境界確定」は必ず必要です。

相続をする側が安心して相続できるようにすることは、させる側の責任でもあると思います。

記事を読んでいただきしっかり準備しておきたいと思われましたら是非ご相談ください。

この記事が、皆さんの大切な土地を安心・安全な価値にする一助になれば幸いです。

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