建物の種類とは?登記の種類について土地家屋調査士が解説【写真付】

・建物の種類を『事務所』で登記しなくてはならない。
・建物の種類の中に『居宅』が入った登記簿にしなくてはならない。
・賃貸併用住宅を建設したが、『居宅・共同住宅』の2種類に登記できるだろうか。

建築確認申請が居宅になっているから、事務所で利用していても『事務所』での登記が出来ないのではないだろうか。共同住宅で建築確認を取っているので、種類に『居宅』は入れられないのではないかなど登記上の種類についてのルールがよくわからないと、どのような種類で登記されるのか、希望の種類で登記してくれるのか不安になりますよね。

銀行融資や補助金・助成金の都合で、このような建物登記における種類の問題を抱えている方も多いのではないでしょうか。

不動産登記における建物の種類をどのように認定するかは、ある程度は決まっており、不動産登記規則などの法令にも記載がありますが、適宜定めることもできます。

実際にどのように利用しているかに着目し、あくまでも現況の利用状況が優先されます。(現況主義)
また、店舗のように入居者が決まるまでは未内装である建物もあるでしょう。このような場合でも、『店舗』としての認定は可能です。
本記事では、数々の建物の種類について法務局と協議を重ね、種類の認定をしてきた土地家屋調査士が、具体的にどのような種類があるのか、また登記をどのように進めていくのかについて詳しく解説していきます。

是非、本記事を参考にして、種類に関する不安を取り除いて安心安全の不動産にしていきましょう。

1 建物の種類とは


建物の種類とは、不動産登記法上で建物の登記簿に記録されるものの一つの項目のことをいいます。
ある程度、主要な種類は登記関連の法令や通達に規定されています。

(不動産登記規則 113条)

(建物の種類)
第113条 建物の種類は、建物の主な用途により、居宅、店舗、寄宿舎、共同住宅、事務所、旅館、料理店、工場、倉庫、車庫、発電所及び変電所に区分して定め、これらの区分に該当しない建物については、これに準じて定めるものとする。

2 建物の主な用途が二以上の場合には、当該二以上の用途により建物の種類を定めるものとする。

(不動産登記事務取扱手続準則 80条)

(建物の種類の定め方)
第80条
1 規則第113条第1項に規定する建物の種類の区分に該当しない建物の種類は,その用途により,次のように区分して定めるものとし,なお,これにより難い場合には,建物の用途により適当に定めるものとする。
校舎,講堂,研究所,病院,診療所,集会所,公会堂,停車場,劇場,映画館,遊技場,競技場,野球場,競馬場,公衆浴場,火葬場,守衛所,茶室,温室,蚕室,物置,便所,鶏舎,酪農舎,給油所
2 建物の主たる用途が2以上の場合には,その種類を例えば「居宅・店舗」と表示するものとする。

これらに記載されているもの以外は、これに準じて適宜定めて良いということになっていますので、実際に利用されている実態を反映した種類にして登記申請してみて良いでしょう。

2 建物の種類を認定するポイント

建物の種類に認定するポイントは、実際にどのように利用されているか、これから利用するかに着目して決まります。
実際に共同住宅として使用している建物を居宅として登記することはできません。しかし入口が2個あり2世帯住宅のように見えても実際は全体を居宅として利用している場合は、居宅となります。一部を自分の自宅として利用していて、他の部分を賃貸にしている場合、条件によっては『居宅・共同住宅』として登記できる場合もあります。

(共同住宅から「居宅・共同住宅」に種類変更された建物の登記簿)

(入口が複数ある建物)

店舗として賃貸する物件の場合は、まだ入居前であれば、未内装であるため店舗と言えるかどうか判定が難しいところですが、店舗として貸し出す準備をしているなどの状況が判定できれば、店舗として登記できるでしょう。

(改装中の店舗)

未内装と言えば、居宅として使用されるスケルトン・インフィル構造の分譲マンションなどがありますが、これについては『居宅(未内装)』として登記するよう通達がでているようですね。
(未内装の住居用マンション)

3 建物の種類と登記


建物の種類は必ず登記する必要があります。

これは、その後の所有権保存登記をする際にかかる登録免許税の算定根拠となり、市区町村から納税する固定資産税に関わってくるからです。種類を登記する方法は主に二つしかありません。
新築時・未登記時の建物表題登記か、登記された後に行う建物表題部変更登記かどちらかで種類を登記します。それでは、各手続を詳しく見ていきましょう。

3-1 建物表題登記

建物表題登記は主に新築時に行う登記で、登記簿を最初に作る登記になります。この時に利用状況に応じて建物の種類を登記していきます。
建物を現金で建築してそのままにしていたなど、ずっと未登記だった場合にもこの建物表題登記をして建物の種類を登記していきます。
新築時で補助金や助成金を利用する際にも、種類認定が重要になってくる場合も多いと思います。どのように利用するかに着目してしっかりと利用実態に応じた種類に登記することが重要です。建築基準法上の手続きである建築確認申請をどのような用途で申請していたとしても、不動産登記法では実際にどのように利用しているかに重点を置き、実際の利用状況に応じた登記をします。

(共同住宅として登記された登記簿)

(複数の世帯が暮らすことができる一棟の建物=共同住宅)

例えば極端な話、建築確認申請時は事務所として建築確認を受けたが、登記申請をする段階になって調査をしてみると、工事途中で設計変更し住宅用の設備を入れ、自宅兼用住宅にすることとした。このような事実ならば『居宅・事務所』として登記するのが適切でしょう。

建物表題登記について、未登記についての詳しい解説は以下の記事も参考にしてみてください。

表題登記とは?新築建物表題登記について土地家屋調査士が徹底解説!

未登記とは?未登記建物の表題登記について専門家が徹底解説!

(倉庫として登記された登記簿)

(倉庫)

3-2 建物表題部変更登記(種類変更)

建物表題部変更登記はその名の通り、建物の表題部に変更が生じた際に行う登記です。既に登記がある建物で登記されている種類に変更が生じた際に行う登記です。
主に住宅ローンなどを利用する際に、ほとんどと言っていいほど金融機関より建物の登記の種類を居宅へ変更するように言われることが多いです。
一部を他の用途に利用している場合でも、自宅として利用し住宅ローンや大規模なリフォームローンを利用する場合には、『居宅・事務所』『居宅・共同住宅』『店舗・居宅』『診療所・居宅』など、複数ある所在の一部に居宅を入れるよう求められることが多いようです。

(作業所・種類に2種類だった登記が、居宅の1種類と変更された)

(居宅)

一戸建てのような住宅であっても、事務所で使用したり、診療所として利用している建物もありますから、見た目の問題ではなく、どのように利用しているかに着目して種類を定めます。

(居宅を改装し、旅館に種類変更した)

(旅館)

建物表題部変更登記(種類変更)についての詳しい解説は以下の記事も参考にしてみてください。

建物種類変更登記が必要になるケースとは|実例4選【住宅ローン編】

4 建物の種類の登記(種類の相談)を専門家へ依頼する費用とスケジュール


建物表題登記、建物種類変更登記(表題部変更登記)の費用は、法務局へ支払う登録免許税は無く、専門家へ依頼する場合には土地家屋調査士へ支払う費用があります。

土地家屋調査士の費用は、登記だけの費用であれば数万~15万円前後ですが、現地調査の日程調整で賃貸人との時間調整や他の変更事項の有無、延床面積等の条件で変動します。

建物の種類についての相談を専門家にする場合については、概ね30分5,000円+税程度のところが多いでしょう。
専門家が行う相談についての詳しい解説は以下の記事も参考にしてみてください。

土地家屋調査士の無料相談は面談で!財産の問題なので簡単に考えない

自分で行うこともできますが、種類の認定に当たり法務局との調整が必要ですので、専門家である土地家屋調査士へ依頼することが一般的です。新築時や未登記時の建物表題登記から種類を定める場合は、建物図面も作成する必要があるため、一般の方にはハードルの高い手続きとなっています。

建物種類変更登記(表題部変更登記)を行うためには、登記手続きがスムーズに行くことが重要です。特に居宅へ変更する場合には、金融機関の融資なども絡むことも多く、特に期日までに完了させる必要がある場合など、専門家に依頼した方が無難でしょう

種類の認定には、専門的な判断が求められており、一般の方には不動産登記法や登記実務に基づいた判断や法務局との調整など、困難な作業が多く登記手続きは土地家屋調査士に依頼することをおススメします。

建物種類変更登記(表題部変更登記)にかかる期間は、一般的に約1か月となっています。

建物種類変更登記(表題部変更登記)をスムーズに進めるためには、工事の進捗が最も重要ですので、出来る限り所有者自らが工事関係者と調整いただき工事をスムーズに進めておいていただくことが重要です。
また、賃貸人のスペースを調査する必要がある種類変更となると、賃借人の都合によっては、なかなか日程調整がつかず、建物内部の調査ができないといった事態になることもありますので、関係者との調整がスムーズいくようにしておくことがポイントになります。

5 建物の種類の登記についての専門家への依頼の仕方


建物表題登記、建物種類変更登記(表題部変更登記)を専門家へ依頼する時のポイントは、事務所の近さや安さだけで選ぶことなく、親身になって相談に乗ってくれるなど、信頼のできる事務所を選ぶことです。

依頼先は、土地家屋調査士法人、土地家屋調査士です。

土地家屋調査士は不動産の表示に関する登記の専門家で、建物表題登記、建物種類変更登記(表題部変更登記)申請の代理ができるのは土地家屋調査士のみとなっています。

建物表題登記、建物種類変更登記(表題部変更登記)を実施するには、関係者と日程調整を行い、種類の認定から法務局との協議調整を行う必要があり、確実に期日までに建物表題登記、建物種類変更登記(表題部変更登記)を実行する必要があります。

したがって、依頼する時は、下記のようなポイントをしっかり確認しましょう。

良い選び方
1.信頼できる
2.親身になって相談してくれる
3.見積額、注意点を示してくれる
悪い選び方
1.事務所が近いことだけで選ぶ
2.費用が安いことだけで選ぶ
3.適当に選ぶ

6 まとめ


建物の種類は必ず登記しなければならない事項で、そのほとんどは不動産登記関連の法令や通達で定められています。

主に、金融機関による住宅ローンやリフォームローン、補助金申請・助成金申請などでの条件になっていることから、慎重かつ確実な登記手続きの実行が必要になります。

実際にどのように利用されているのかに着目し、現地調査及び建築確認などの書類で判定しているのかで判定しますが、最重要なことは実際にどう利用しているかです。

種類を登記するには、登記簿が無い場合は建物表題登記、既に登記簿がある場合で種類を変更したい場合は、建物表題部変更登記を行いますが、これらの登記手続きは期日までに確実に登記を終える必要がある場合がほとんどですから、専門家である土地家屋調査士に相談したほうが良いでしょう。

登記を実行する場合は、現地調査に加えて法務局との協議や工事施工会社との打ち合わせなども必要になりますから早めに相談をかけることが大切です。

是非、建物の種類についての早めの対処を実施して、安心安全な不動産にしていきましょう。*

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