建物種類変更登記が必要になるケースとは|実例4選【住宅ローン編】

実家をリフォームしようと思い、住宅ローンの仮審査は通ったものの、銀行さんより次のようなことを言われることが多いのではないでしょうか。

・建物の登記の種類を『居宅』へ変更してください
・建物の登記の種類の中に『居宅』を入れてください
・〇〇日までに種類変更の登記を終わらせてください

登記の種類を居宅に変えるように言われたけど、日程も迫っている中で確実に種類を変えるにはどう解決したらよいのか、下記のような様々な疑問も出てくると思います。

・どのような工事であれば居宅にできるのか
・どの段階で登記申請ができるのか
・どのような書類を作ればいいのか
・誰に登記を頼めば良いのか

建物の種類を居宅に変更する登記のことを、正式には建物表題部変更登記といい、実際に利用状況が居宅に変更されていなければ登記をすることはできません。
中古建物を買う場合や、これまで事務所や診療所として使用していた建物を専用住宅に改装する場合などは、銀行から登記の種類を居宅に変更するよう求められることが多いようです。

本記事では、どのようにすれば、建物の登記の種類を変更することができるのか、どの段階まで工事が進めば登記が出来るのかなど、実際に数々の種類変更登記を申請してきた土地家屋調査士が、登記の種類を居宅に変更する方法について、実例を交えながら解説致します。

是非、最後まで本記事を確認して確実に種類変更登記を実施し、住宅ローンに支障がないよう準備しましょう。

1 建物の種類変更登記(表題部変更登記)とは

 

建物の種類を変更する登記とは、法務局に対し『建物の利用状況(種類)が変わったので登記を変更してください』という内容の申請をします。

建物の登記簿には上記の画像のように種類という欄があります。
こちらの例では、『作業所・居宅』の二種類だったものが、『居宅』の1種類となりました。

種類というのは、いわゆる利用状況のことで、建物を何に利用しているかによって、登記の種類が変わってきます。

この利用状況が変わったら修正する手続きをします。
⇒ この修正手続きを ・・・建物表題部変更登記・・・と言います。


こちらは、『居宅・倉庫』の2種類で使用していたものが、『居宅』1種類になりました。このように利用状況を変えた場合には絶対にやらなくてはいけない登記なのです。
なぜなら不動産登記法で申請義務が課されていますし、リフォームローンなどの融資手続きなどでは、正しい種類に修正することを求められることが多いからです。

建物の所有者が法務局へ申請することにより、正しい種類に直すことができます。

(下記は実際の不動産登記法の抜粋、申請しなければならないと義務となっています。)

(建物の表題部の変更の登記)
第五十一条 第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
2 前項の登記事項について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。

(建物の表示に関する登記の登記事項)
第四十四条 建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一 建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)
二 家屋番号
三 建物の種類、構造及び床面積

 

2 建物の種類変更登記が必要になるケース

銀行融資がからむ場合で多いCASEを4つ紹介します。
実際にどうなれば『居宅』への変更ができるのかポイントは住宅設備です。

住宅として使用できるための

・お風呂
・キッチン
・トイレ

などの住宅設備が設置されることが必要になります。

主にこのような住宅設備の設置を伴う改装がなされたかが必要で、工事や状況には様々なパターンが存在しますので、これ以外の条件については、登記の専門家である土地家屋調査士へ相談した方がよいでしょう。

 それではCASE毎に見ていきましょう。

CASE1 事務所  ⇒ 居宅

元々事務所として使用していたものを、改装して居宅に改装したパターンです。


内装として、住宅設備を設置しています。

(キッチンを設置)

(収納スペースを設置)


(トイレ、お風呂を設置)

CASE2 共同住宅 ⇒ 居宅

1戸建の1階と2階(各階1戸、合計2戸)に別入り口を設け、それぞれ賃貸住居として使用していたものですが、自己用の住宅へ改装し引越しすることになった場合は全体を居宅とします。

(内装を自己用の住宅仕様へリフォーム)

(住宅用のキッチン)

(共同住宅から居宅へ変更された登記簿)

CASE3 共同住宅・事務所 ⇒ 居宅・共同住宅

共同住宅兼事務所として使用していたものを、改装して居宅・共同住宅に用途を変更した場合です。最上階2フロアを専用住宅として使用しています。


CASE4 事務所・作業所  ⇒ 居宅

事務所・作業所として使用していたものを、改装して一部を居宅に用途を変更した時です。

(足場を組んで、外装から住宅仕様に補修をしている現場)

(室内へのエントランス、作業所の機械などは全て撤去し住宅用の玄関を設置)

(事務所で使用していた2階部分をキッチン兼リビングへ改装し居宅へ)

3 建物種類変更登記の手続き方法


建物の種類を変更する登記(=建物表題部変更登記)は自分でも申請することはできます。専門家に依頼する場合は、土地家屋調査士へ依頼します。

建物の所有者(共有の場合は一人からの申請でも可)から申請します。

土地家屋調査士は、土地家屋調査士法第1条で不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家とされています。

土地家屋調査士法第1条
土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家として、不動産に関する権利の明確化に寄与し、もって国民生活の安定と向上に資することを使命とする。

融資の日程などが決まっている場合は、自分で申請すると法務局とのやりとりや、法務局が現地調査などが入るため通常の処理期間より大幅に日程が遅れます。期日がある場合は、専門家に依頼する方が良いでしょう。

登記は下記の流れで進めていきます。

STEP1 土地家屋調査士に依頼

 専門家に依頼する場合は、まず、土地家屋調査士へ依頼します。委任状を作成し、住所などに変更がある場合は、つながりのつく住民票なども提供します。

STEP2 資料収集

改装工事に関する資料などがあれば収集します。請負契約書や賃貸借契約書、ローン関係の書類で今後使用する種類の認定を補完する資料があれば提供します。

STEP3 現地調査

改装工事後の写真を撮影するほか、他の変更事項が無いかについても確認調査します。

*改装に伴って床面積の増加(増築)などがある際には、併せて建物図面・各階平面図を作成し提供する必要があります。
 増築を伴う場合の登記については、下記の記事を参考にしてください。
『増築したら必ず登記をやる!』やるべき理由を土地家屋調査士が解説

 
居宅への変更を認定するには、通常居宅として生活するために必要な設備が整っているかを基準とします。お風呂、トイレ、キッチンなどの設備が備え付けられているかがポイントです。 

STEP4 申請書作成

書類収集と現地調査が終われば、登記申請書を作成します。申請書の中でも変更後の種類と変更年月日の2点については更新される部分ですので、調査結果を反映するポイントになります。 

STEP5 建物種類変更登記申請

申請書やその他の書類が整えば、管轄の法務局へ登記申請を行います。登記申請はオンラインでも書面でもどちらでもできます。
管轄の法務局へ登記申請します。書面で申請する場合は、持ち込み若しくはレターパックの赤い方の書留郵便で郵送します。
★管轄法務局は法務局のWEBサイトから調べることができます。

STEP6 登記完了

専門家に依頼した場合は、登記申請から1週間~10日前後で完了します。自分で申請した場合には、法務局の現地調査が入ることがあるため、その場合は+2週間程度若しくはそれ以上かかる可能性もあります。
登記が完了したら、登記完了証の発行を受け、変更後の新しい登記事項証明書を取得して完了です。

(変更後の新しい登記事項証明書)

4 建物種類変更登記(表題部変更登記)の費用と期間


建物種類変更登記(表題部変更登記)の費用は、法務局へ支払う登録免許税は無く土地家屋調査士へ支払う費用があります。

土地家屋調査士の費用は、登記だけの費用であれば数万~10万円前後ですが、現地調査の日程調整で賃貸人との時間調整や他の変更事項の有無で変動します。

自分で行うこともできますが、種類の認定に当たり法務局との調整が必要ですので、専門家である土地家屋調査士へ依頼することが一般的です。

建物種類変更登記(表題部変更登記)を行うためには、登記手続きがスムーズに行くことが重要です。特に居宅へ変更する場合には、金融機関の融資なども絡むことも多く、特に期日までに完了させる必要がある場合など、専門家に依頼した方が無難でしょう。

種類の認定には、専門的な判断が求められており、一般の方には不動産登記法や登記実務に基づいた判断や法務局との調整など、困難な作業が多く登記手続きは土地家屋調査士に依頼することをおススメします。

建物種類変更登記(表題部変更登記)にかかる期間は、一般的に約1か月となっています。

建物種類変更登記(表題部変更登記)をスムーズに進めるためには、工事の進捗が最も重要ですので、出来る限り所有者自らが工事関係者と調整いただき工事をスムーズに進めておいていただくことが重要です。
また、賃貸人のスペースを調査する必要がある種類変更となると、賃借人の都合によっては、なかなか日程調整がつかず、建物内部の調査ができないといった事態になることもありますので、関係者との調整がスムーズいくようにしておくことがポイントになります。

5 建物種類変更登記(表題部変更登記)を専門家へ依頼する時のポイント


建物種類変更登記(表題部変更登記)を専門家へ依頼する時のポイントは、事務所の近さや安さだけで選ぶことなく、親身になって相談に乗ってくれるなど、信頼のできる事務所を選ぶことです。

依頼先は、土地家屋調査士法人、土地家屋調査士です。

土地家屋調査士は不動産の表示に関する登記の専門家で、建物種類変更登記(表題部変更登記)申請の代理ができるのは土地家屋調査士のみとなっています。

建物種類変更登記(表題部変更登記)を実施するには、関係者と日程調整を行い、種類の認定から法務局との協議調整を行う必要があり、確実に期日までに建物種類変更登記(表題部変更登記)を実行する必要があります。

したがって、依頼する時は、下記のようなポイントをしっかり確認しましょう。

良い選び方
1.信頼できる
2.親身になって相談してくれる
3.見積額、注意点を示してくれる

悪い選び方
1.事務所が近いことだけで選ぶ
2.費用が安いことだけで選ぶ
3.適当に選ぶ

6 まとめ


建物の種類変更登記とは、建物表題部変更登記のことで、登記されている種類を変更した種類へ修正する手続きのことです。

登記簿の種類と実際の種類とがずれている場合、これを正しい種類に修正する手続きが必要です。
住宅(リフォーム)ローンで必要となる場面での変更後の種類は『居宅』です。
下記のような事例があります。

CASE1 事務所  ⇒ 居宅
CASE2 共同住宅 ⇒ 居宅
CASE3 共同住宅・事務所 ⇒ 居宅・共同住宅
CASE4 事務所・作業所  ⇒ 居宅

いずれの事例の場合でも、居宅へ変更したと言えるためには、住宅設備の設置完了が必須です。お風呂、キッチン、トイレなどです。

登記の手続き方法の流れは以下の通りです。

建物種類変更登記(表題部変更登記)を専門家へ依頼する時のポイントは、事務所の近さや安さだけで選ぶことなく、親身になって相談に乗ってくれるなど、信頼のできる事務所を選ぶことです。
専門家に登記を依頼した場合は、費用は数万~10万円、期間は3週間~1か月程度で、工事の進捗により前後します。

ここまでお読みいただいたのであれば、間違いなく、正しい種類に修正してスムーズな住宅ローンの実施と物件のお引渡しまでで完了できることと思います。

是非、正しい種類に修正し、安心安全な建物に変え、自分の不動産を守る第一歩としてください。

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