境界標がないリスクとその対処法を境界の専門家土地家屋調査士が解説

・自分の土地に境界標がない
・境界標がないとどうなってしまうの
・境界標を設置したい

このように思われて検索されたのではないでしょうか?

心配されなくても大丈夫です。
境界標の設置されていない土地は案外多いものです。
しかし、将来のためにも境界標を設置することをおススメします。

我々土地家屋調査士は、土地家屋調査士法第1条で「土地の筆界(境界)を明らかにする業務の専門家」と位置付けられており、皆様の大切な土地を安心・安全な価値にすることを業としています。

皆さんの財産の中でも最も高価なものは「土地」という方も多いと思います。
もっとも高価な価値である「土地」のことをあまり知らない方が多すぎるのが現状です。

皆さんの土地の境界には「境界標」は設置されていますか?
このような質問に対して「YES」と即答できた人はどれくらいいるのでしょうか!

私は、よくこのような話をするのですが、ご自宅の敷地が土でなく1万円札が敷き詰められていたら多くの方が自分の敷地の範囲に対してもっとシビアになる。

どうでしょうか?
想像しただけで自分の境界が気になりませんか?

境界標は、見えない境界線を見える化するとても大切なものです。
我々土地家屋調査士法人えんは、筆界(境界)トラブルを少しでも減らすために「予防測量」というものを提唱しています。
この記事の3章でも「予防測量」について触れていますので是非読んでみてください。

最後まで読んでいただければ幸いです。

1 境界標がないとは


境界標がない理由は、3つあります。

①最初からない
②見つけられない
③抜けてしまった(取れてしまった)

それぞれについて解説していきます。

①最初からない
直近で土地の境界確定や土地分筆登記、土地地積更正登記をやった土地の多くは境界標が設置されています。

不動産の売買などでは、境界標の設置義務がありますし、境界確定でもお隣との境界線をはっきりさせるために境界標を設置することが当然となっているからです。

しかし、過去に測量をしたことがない土地や測量や登記をしたことがあってもそれが古い年代である土地は境界標が設置されていない土地は非常に多いです。

②見つけられない
実際の境界標が設置されているのに見つけられないケースも非常に多いです。

多くの方が自分の土地に境界標が設置されているかも知りません。
ブロックで囲まれているところが境界だというだいたいの位置しか知らないのが現実です。

我々土地家屋調査士は、境界確定の依頼を受けて現地のおいて最初に行う作業は境界標を探すことです。
見える位置に境界標があればいいのですが、土地の形は年月が経てば変化していきます。

土が盛られたり、ブロックを積んだりすることで、元々は見える箇所に境界標が設置されていても現在は見えなくなっている場合も多いです。

具体的には、どのようなことを言うのか写真で解説します。

下の写真は、ブロックの中に境界標が埋まってしまっている状態です。
我々専門家は、このようにブロックを壊してでも境界標を出す場合もあります。

次に土が盛られてしまっている場合です。
歴史の古い土地などでは多く見られるケースです。

下の写真の境界標は御影石ですが、地表より50㎝ほど下に埋まっていたものを掘り出したものです。

こんな感じで埋まっています。

③抜けてしまった(取れてしまった)
境界標は、皆さんの土地の財産界を見える化する大切なものなので抜けてしまうということはあってはならないことです。

しかし、上下水道やガス工事、ブロック塀の積み替え等で抜けてしまうこともあります。
一般的に上下水道やガス管は土地の端に敷設しています。

これらの工事の際には当然に穴を掘っていきますが、この時に境界標が抜けてしまう恐れがあります。

境界標(コンクリート杭等)は一般的には40㎝~50㎝の長さですので、上下水道やガスなどを埋める際の深さより浅いです。

これらの工事をするときには、工事業者の方に事前に注意してほしい旨を伝えておいた方がいいです。

最悪なのが、万が一抜けてしまった場合に適当な位置に埋め直されてしまうことです。

2 境界標がないリスクは


境界標がない最も大きなリスクは、土地の財産界がわからないことにあります。

一般的に「境界線」と言われているものには2つの意味があります。
一つは、ブロックや構造物で囲まれた「所有権界」
そして、もう一つは財産界を示す「筆界」

境界線を理解する上では、「筆界」と「所有権界」を理解する必要があります。

本来であれば「筆界=所有権界」でなければなりませんが、2つが混在している土地があるのも事実です。

境界線がはっきりしないことで、トラブルに巻き込まれるケースが後を絶ちません。
境界線をめぐる争いは、時間とお金がかかりお隣の土地の所有者とも遺恨を残すことになるかもしれません。

境界線を管理することは、自分の財産を守る為、後世に残すためにも非常に重要な事です。

多くの方がブロックなどで隣と仕切られているのでブロックが境界だと思われていますが、それは「所有権の境」であって筆界ではありません。

筆界とは、公法上の線と呼ばれいて、土地が登記された際にその土地の範囲を区画するものとして定められた線であり,所有者同士の合意などによって変更することはできません。

ものすごく簡単な言い方をすれば、土地ができた時から筆界は決まっていて、お隣と話し合って自分の筆界はここと言うことは言えないということです。

筆界と所有権界が同じ場合

AとBを結ぶ境界(筆界)線、BとCを結ぶ境界(筆界)線は筆界と所有権界が一致しています。
ブロックを積む場合、この形が望ましい積み方となります。
(このブロックの積み方が、筆界=所有権界です。)

しかし、一般のブロックの厚みは10cmあります。
ブロック=境界(筆界)の認識は間違っていませんがブロックのどこが境界なのかは理解しておかなければいけません。

最近ではブロックの所有をはっきりさせるためにブロックを内積み(AとB)で積むことが多いです。

最近は内積みですが、以前は境界(筆界)線をブロックの中心にくるように積む場合が多かったです。

筆界と所有権界が異なる場合

CとDを結ぶ境界(筆界)線とブロックは相違しています。
そもそも境界(筆界)を誤認していたり、境界(筆界)が不明なままブロックを積んでしまった場合などに生じる現象です。

この場合でブロック塀が境界線と誤認していて1-6の所有者が所有権界と筆界の間の土地(網掛け部分)を利用している場合は時効によって本来は1-1の所有者の土地であった部分が1-6の所有者の取られてしまう場合もあり得ます。

この状況は非常に心配な状態です。

ご自分の土地の境界(筆界)がわからない方は「土地の価値を高めるための境界確定のすすめ!」をご参照ください。

このように境界標がなく、自分の財産界がわからないのはリスクがあることを理解してください。

3 リスク回避のための予防測量


リスクを回避するためには予防測量が効果的です。

予防測量とは、必要に迫られてから測量を行うのではなく、自分の財産をしっかり保全する目的で事前に測量をしておこうというものです。

弊所土地家屋調査士法人えんが考えた言葉で、予防医療、予防歯科と同じように、売却・相続後に兄弟姉妹で分ける分割など必要に迫られてから測量を行うのではなく、何かあった時にすぐに動き出せるよう事前に測量をしておこうというものです。

・境界標がない
・お隣から境界の確認を求められたが自分の認識と違う
・急遽土地を売却しなくてはならなくなった

このような時でも事前に測量をしてあれば安心です。

予防測量について詳しくお知りになりたい方は、「【予防測量】皆さんの大切な土地を安心・安全な価値にするために」をご参照ください。

4 まとめ

「境界標がない」について解説してきました。

境界標がない場合には3つのケースが考えられます。

①最初からない
②見つけられない
③抜けてしまった(取れてしまった)

境界標がなくても今すぐどうなるということはありません。
しかし、境界標は財産界を示す大切なものであることは間違いありません。

ないことのリスクも当然にあります。

この記事を読んでいただいている方の多くが境界標はないことに不安がある方だと思います。

我々は土地の境界の専門家として業務を行っていますが、財産保全という意味で測量を行われる方が非常に少ないことに危惧しております。

最近では、歯が痛くなる前に歯医者に行く、相続が発生する前にエンディングノートを書いておく等予防的な考えも多くなっています。

自身の財産の中で最も高価なものが土地だという方も少なくないと思います。
財産の保全をしっかりやるという意味で境界標の有無を確認してみてください。

この記事が、皆さんの大切な土地を安心・安全な価値にする一助になれば幸いです。

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