GNSS測量を専門家が徹底解説!世界測地系で安心安全な土地へ

GNSS測量を専門家が徹底解説!世界測地系で安心安全な土地へ

GPSという言葉は聞いたことがあると思います。
今やスマホやカーナビ等色々なものにGPSが採用されています。

皆さんは「GPS」が衛星の総称だと思っていませんか?
実はGPSはアメリカの測位衛星のことを指します。
日本の測位衛星は「みちびき」、ロシアは「GLONASS」、欧州は「ガリレオ」、中国は「BeiDou」、インドは「NAVIC」と言います。
そしてこれらの総称を「GNSS」と呼びます。

皆さんが「GPS測量」と思っているものは実は「GNSS測量」が正しい呼び方です。
「GNSS測量」には何種類かの観測方法があります。
ネットワーク型RTK-GNSS測位、スタティック測位、キネマティック測位・・・
今回の記事でご紹介するのはGNSS測量の中でも比較的簡易的な「ネットワークRTK-GNSS測位」です。

GNSS測量衛星からのデータ受け取るという測量方法です。
どのようなメリットがあるのか?
どのような場面に適しているのか?
どんな場所でも観測できるのか?

実際に測量現場でGNSS測量を行っている土地家屋調査士が、GNSS測量についてわかりやすく解説します。

1 GNSS測量とは

GNSS測量とは人工衛星からの電波を利用して行う測量です。

GNSSは「Global Navigation Satellite Systems」の頭文字を並べて略語です。
日本語では「全球測位衛星システム」と訳されています。

以前は、アメリカのGPS衛星を利用して測量が行われていたのでGPS測量と呼ばれていましたが、現在は日本の測位衛星「みちびき」、ロシアの「GLONASS」、欧州の「ガリレオ」等も使用することからGNSS測量と呼ばれています。

1-1 GNSS測量は基準点測量で採用すべき

GNSS測量は基準点測量で採用すべきです。

なぜならGNSS測量で基準点測量を行うことにより与えられた座標値は「世界測地系」になるからです。
世界測地系とは、世界で共通に利用できる位置の基準をいいます。
GNSS測量で得られた座標値は世界測地系となり震災などの自然災害が発生し土地の位置や形状が不明となった場合においても、迅速かつ正確に境界などを復旧することができます。

実際に不動産登記法第77条でも土地を分けるための土地分筆登記や土地の面積を正しい面積にする土地地積更正登記等に添付する地積測量図は原則世界測地系で作成しなさいとなっています。

不動産登記法第77条
1,地積測量図には、次に掲げる事項を記録しなければならない。
一 地番区域の名称
二 方位
三 縮尺
四 地番(隣接地の地番を含む。)
五 地積及びその求積方法
六 筆界点間の距離
七 国土調査法施行令第二条第一項第一号に規定する平面直角座標系の番号又は記号
八 基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値
九 境界標(筆界点にある永続性のある石杭又は金属標その他これに類する標識をいう。以下同じ。)があるときは、当該境界標の表示
十 測量の年月日

 

もちろん下の写真のように現存している公共基準点からトータルステーションを用いて測量をしても「世界測地系」の座標値となりますがGNSS測量の方が効率がよく高精度が期待できます。

(公共基準点)
公共基準点とは、地球上の位置を定めた点で、各種測量の基礎となるなものです。
下図真ん中の十字の交点に世界測地系の座標値が与えられています。

(トータルステーションの観測イメージ)

(トータルステーション観測画像)

1-2 土地家屋調査士法人えんのGNSS測量:ネットワーク型RTK GNSS方式を採用(GNSS測量の種類)

GNSS測量には様々な測量方法がありますが、土地家屋調査士法人えんではネットワーク型RTK GNSS方式を採用しています。

この方式はGNSS測量の中でも簡易的な測量で、短時間で測量ができるので我々土地家屋調査士の業務には非常にむいている測量方法です。

その他GNSS測量方法
単独測位
相対測位    
DGPS測位
RTK-GPS測位
詳細は国土交通省国土地理院のホームページを参照
https://www.gsi.go.jp/denshi/denshi45009.html

ネットワーク型RTK GNSS測量におすすめの機種(弊所使用機器)

GNSS測量機は色々な会社で出されています。
どの機種もそれぞれの特色があり素晴らしい機種だと思います。

その中でも土地家屋調査士法人えんの使用機器はLeica GS18Tという測量機を使用しています。
この機種の特徴は、通常のGNSS測量機は機械を水平に保つ必要がありますが、この機種は独自の傾斜補正技術を搭載しています。
つまり測量機を斜めにしても観測が可能で通常では測りにくい場所でも対応できます。

1-3 ネットワーク型RTK GNSS方式のメリットデメリット

どんな測量でもメリットとデメリットがあります。

ネットワークRTK GNSS方式のメリットは次の3つです。

ネットワーク型RTK GNSS方式のメリット
①短時間で観測できる
②一人で観測できる
③世界測地系の座標値が得られる

①短時間でできる
ネットワーク型RTK GNSS方式は短時間で座標値が得られます。
既存の基準点からトータルステーションを使用して基準点測量をした場合、トータルステーションの設置時間や観測時間でどうしても時間がかかってしまいます。
その点、ネットワーク型RTK GNSS方式は、仮の測量基準点において観測するだけなので1~2分で観測でき大幅に短縮できます。

②一人で観測できる
ネットワーク型RTK GNSS方式は一人で観測ができる。
トータルステーションを使用しての基準点測量も一人でも可能ですが、トータルステーションの設置、ミラーの設置で相当な時間を要します。
その点、ネットワーク型RTK GNSS方式は、GNSS測量機を仮の基準点において観測するだけなので一人で観測ができます。

③世界測地系の座標値が得られる。
GNSS測量は衛星からの電波を受信してデータを受け取るという測量です。
得られたデータは「世界測地系」の座標値として使用できます。
トータルステーションを使用しての基準点測量も「世界測地系」の座標値を得らえますが既存の基準点からの測量にあるので相当な時間を要します。
その点、ネットワーク型RTK GNSS方式は、GNSS測量機を仮の基準点において観測すると短時間で世界測地系の座標値が得られます。

(トータルステーションの観測イメージ)

(トータルステーション観測画像)

(ネットワークRTK GNSS方式 観測イメージ)

(ネットワークRTK GNSS方式観測画像)

ネットワークRTK GNSS方式のデメリットは次の2つです。

ネットワーク型RTK GNSS方式のデメリット
①上空が開けていないと観測できない。
②GNSS専用の機械が必要となる。

①上空が開けていないと観測できない。
GNSS測量は衛星からの電波を受信する測量ですので住宅密集地や樹木が多い個所では衛星をキャッチできないので観測ができません。
我々土地家屋調査士は個人のお客様の土地を測量することが多く、都心では狭小住宅が多いので自宅の裏などの場合はGNSS測量ができません。
このような場合はGNSS測量で基準点を作りトータルステーションで細部を測量します。

②GNSS専用の機械が必要となる。
以前と比べて安くなったといってもまだ数百万円する器械ですので購入するのは大変です。
ドローン測量もそうですが最新テクノロジーを導入している事務所は事務所選択の一つと言えると思います。
ドローン測量は下記を参照してください。
https://www.en-groups.com/blog/drone-surveying

2 GNSS測量の費用

GNSS測量の費用はそれぞれの測量費用に含まれます。(土地家屋調査士法人えんの場合)

それぞれの測量費用とは確定測量や現況測量の費用のことを指します。
確定測量や現況測量においても測量基準点より観測をします。
その測量基準点を弊所はGNSS測量で行います。

確定測量、現況測量の費用については「境界線を測量する費用っていくらなの?」をご参照ください。

3 登記を必要とするGNSS測量は土地家屋調査士に依頼すべき


GNSS測量と言っても
・大掛かりな公共測量(道路や橋梁等の設計等に使用する)
・土地分筆登記や土地地積更正登記に必要な土地境界確定測量
・土地の売買のための土地境界確定測量
・土地の現況の面積や現況の状況の把握に必要な土地現況測量

様々な測量がありますが、土地境界確定や土地現況測量のGNSS測量は土地家屋調査士に依頼すべきです。

特に登記が絡む土地境界確定の場合は登記申請代理人になれるのは土地家屋調査士だけだからです。

また、土地家屋調査士を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてみてください。

土地家屋調査士事務所も多数あります。
その中でどこを選べばいいのか?
いくつかポイントをご紹介します。

① 相談やお見積りの段階から親身になってくれるか。
相談や見積りの段階から細かく内容をしっかり聞いてくれていますか!
値段が安過ぎませんか!

② 見積りの内訳をしっかり説明できるか。
上記、値段が安過ぎませんか!とも共通しますがどんな業界にも適正価格というものはあります。なぜそうなるのかをしっかり説明してくれていますか!

③ 仕事内容の説明やリスクについて説明してくれるか。
例えば「境界確定」と言っても様々な場合が考えられます。個々により仕事の進め方も違いますし起りうるリスクも違ってきます。
これらをしっかり説明してくれていますか!

④ 現場対応を土地家屋調査士がやってくれるのか。
  土地家屋調査士は本職自らが業務を行わなければならないことになっています。
  本職が現場対応をしてくれていますか!

⑤ 世界測地系(※1)で対応してくれるか。
   ※1 国土地理院HP参照(https://www.gsi.go.jp/KIDS/KIDS13.html
  法務局に提出する「地積測量図」は不動産登記規則第77条1項7号で基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値で作成することになっています。
  世界測地系で対応してくれていますか!

⑥ 契約書(委・受託書、注文書)を発行してくれるか。
契約書は約束事を書面にしています。
言った言わないの話にならないように契約書はしっかり取り交わしましょう。
契約書を発行してくれていますか!

4 まとめ

GNSS測量の中でもネットワーク型RTK GNSS方式について解説してきました。

宇宙時代の到来とも言われており、様々な宇宙ビジネスが計画されています。
このような時代に最新のテクノロジーを使用しないという選択肢はないと考えます。

ネットワーク型RTK GNSS方式には3つのメリットがあります。
①短時間で観測できる
②一人で観測できる
③世界測地系の座標値が得られる

ネットワーク型RTK GNSSでの測量は一人で短時間で観測ができます。
このように観測にかかる時間を減らし、お客様一人一人に対応する時間をより多く確保することが不動産(土地・建物)を安心・安全な価値にすることだと思います。

この記事が、皆様の大切な不動産を安心・安全な価値にする一助になれば幸いです。

 

 

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