境界とブロックの関係性を専門家が徹底解説!

境界線ってブロックですよね?
でもブロックの幅って10cmくらいあるけど、どこが境界線なの?
このブロックって誰のものなの?

お隣との境に昔から積んであるブロックと境界の関係気になりますよね。
売買や建築色々な目的で土地を測量することがあると思います。
また、お隣さんから土地の境界線の確認を求められたりする場合もあります。
昔からブロック塀が境界だと思っていたけど実際はどこなんでしょう。

境界とブロック塀の関係性って何なのか。
ブロック塀は誰の物なのか。
勝手に壊すことができるのか。
境界線やブロック塀のトラブルを未然に防ぐためにも境界線とブロック塀の関係性を理解することは非常に大切です。

今回は土地境界及び測量についての専門家である土地家屋調査士が、境界とブロックの関係性について解説します。

1 境界とブロックの関係性

一般的にブロック塀はお隣との境に積まれることが多いです。

土地を分ける登記(分筆登記)をしてしっかり境界(筆界)を設置しブロックを積んだ場合は境界(筆界)とブロックの位置関係はわかりやすいです。
しかし、昔は生垣がありその場所にブロックを積んだような場合は境界(筆界)がよくわからない場合があります。

以下で境界とブロック塀の関係を説明していきたいと思います。

1-1 境界はブロック塀のどこ?

ブロック塀では境界線の位置は特定できません。
多くの方がブロック塀が境界線と思われていますがブロック塀=境界線でない場合も多数あります。

ブロック塀で囲まれていると自分の土地の境界線が決まっていると思われますが、土地の境界には筆界と所有権界があり、このようにブロックで囲まれた境界線は所有権界である場合も多いです。

境界(筆界)線とブロックの関係を下記で説明します。

(筆界と所有権界が異なる場合)
CとDを結ぶ境界(筆界)線とブロックは相違しています。
そもそも境界(筆界)を誤認していたり、境界(筆界)が不明なままブロックを積んでしまった場合などに生じる現象です。
この場合でブロック塀が境界線と誤認していて1-6の所有者が所有権界と筆界の間の土地(網掛け部分)を利用している場合は時効によって本来は1-1の所有者の土地であった部分が1-6の所有者の取られてしまう場合もあり得ます。

この状況は非常に心配な状態です。

ご自分の土地の境界(筆界)がわからない方は「土地の価値を高めるための境界確定のすすめ!」をご参照ください。
https://www.en-groups.com/blog/boundary-determination

(筆界と所有権界が同じ場合)
AとBを結ぶ境界(筆界)線、BとCを結ぶ境界(筆界)線は筆界と所有権界が一致しています。
ブロックを積む場合、この形が望ましい積み方となります。

しかし、一般のブロックの厚みは10cmあります。
ブロック=境界(筆界)の認識は間違っていませんがブロックのどこが境界なのかは理解しておかなければいけません。
最近ではブロックの所有をはっきりさせるためにブロックを内積み(AとB)で積むことが多いです。
最近は内積みですが、以前は境界(筆界)線をブロックの中心にくるように積む場合が多かったです。

では、ブロック塀は誰のものなのでしょうか?

1-2 ブロックは誰のものなのか?

下図のように
(ア) 自分の土地にブロック塀を積む場合(図1)
(イ) 境界(筆界)の中心にブロックを積む場合があります。(図2)
それぞれの場合についてブロックは誰の所有物なのかを説明します。

① 図1は、1-1側の土地から見た場合、(筆界)線(AとBを結んだ線)の内側にブロックが積んであります。
この場合は当然1-1の所有者が自分の土地の中に自費でブロックを積んでいるのでブロックの所有は1-1の所有者のものになります。
  
② 図2はCとDを結んだ境界(筆界)線を中心にブロックが積んであります。
この場合はどちらの所有となるのでしょうか?
原則としては、ブロック塀の費用を負担した人の所有となります。

では、分譲地であったり、中古物件を購入したりしてブロックを誰の費用で積んだかわからない場合はどうなるのでしょうか?
この場合は、お隣との共有と推定されます。(民法229条)
 

民法第229条(境界標等の共有の推定)
境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する。  

このようにブロックの所有者は特定されます。
では、ブロックの老朽化などが原因でブロックを壊して作り直したい場合はどうすれば
いいのでしょうか?

1-3 ブロック塀は壊せるのか?


下図の図1のように自分の土地内に自分の費用でブロックを積んだ場合は自己所有物なので何の問題もなく壊すことはできます。

では図2のように境界(筆界)線を中心にブロックが積まれ共有の場合はどうなるのでしょうか?

この場合は、原則はお隣の方の同意が必要となります。(民法第251条)

民法第251条(共有物の変更)
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることはできない。

では、今にも倒れそうになっているブロック塀も壊すことはできないのでしょうか?
このような場合でも同意なしには原則壊すことはできません。

上記のようにブロックは同意なしに壊すことはできませんが、今にも倒れそうで危険な状態にある場合は修繕が必要になりますので修繕は共有者の一人から行うことができます。(民法第252条ただし書き)

民法252条(共有物の管理)
共有物の管理に関する事項は、前条を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

保存行為とは物の現状を維持する行為を言います。

この章では境界とブロックの関係性について説明してきました。
単独所有なのか、共有なのかでずいぶん違ってきます。
次章では境界・ブロックのトラブルに関することを説明します。

2 境界のブロックが引き起こすトラブルと対処法


境界・ブロックに関するトラブルは「近隣トラブル」です。
ブロックによるお隣とのトラブルは大きく分けて次に二つになります。

① ブロックの越境
② ブロックの損壊

これらについて説明します。
① ブロックの越境
越境トラブルはお隣の問題だけではなく自分の所有のブロックもお隣に越境している可能性があります。
特に古いブロック塀の場合はブロック塀が傾いている場合もあり越境しているケースが多く見受けられます。

【対処法】
このような場合の対処法として一般的には越境の覚書という書面で将来的に何らかの工事をするときは越境を是正するという内容の覚書を取得します。

② ブロックの損壊
強固に思えるブロック塀も古くなればもろくなり壊れる恐れもあります。
覚えている方もいらっしゃると思いますが2018年6月の大阪府北部地震で学校のブロックが倒壊して登校中の小学生が下敷きになって亡くなりました。
2016年4月の熊本地震でもブロックが倒れ下敷きになった人が死亡しました。この時は慰謝料等で約6800万円の支払い命令も出ています。

ご自分の所有するブロック塀や構造物のせいで人に怪我をさせてしまったりした場合は、その所有者が責任を負うことになっています。
ブロック塀や構造物の所有者には、工作物責任があります。(民法第717条1項)
工作物責任とは、工作物の瑕疵によって他人に被害を与えた場合に、工作物の占有者・所有者が負う賠償責任のことです。

民法第717条1項(工作物責任)
1.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
【対処法】
いますぐブロック塀を確認しましょう。
1,塀は高すぎないか ・塀の高さは地盤から2.2m以下か。
2,塀の厚さは十分か ・塀の厚さは10cm以上か。
3,控え壁はあるか。 ・塀の長さ3.4m以下ごとに、塀の高さの1/5以上突出した 控え壁があるか。
4,基礎があるか ・コンクリートの基礎があるか。
5,塀は健全か ・塀に傾き、ひび割れはないか。
6,塀に鉄筋は入っているか ・塀の中に直径9mm以上の鉄筋が、縦横とも 80cm間隔 以下で配筋されており、縦筋は壁頂部および基礎の横筋に、 横筋は縦筋にそれぞれかぎ掛けされているか。・基礎の根入れ深さは30cm以上か。 (塀の高さが1.2m超の 場合)

2018年6月21日国土交通省 通知(平成30年国住指第1130号)参照
説明してきたように境界とブロックは密接な関係があります。
あわせて確認してみることをおススメします。

 まとめ

境界とブロックの関係性、ブロックの所有権について説明してきました。普段あまり気にしないブロック塀ですが様々な不安要素があります。

・境界(筆界)線とブロック塀の位置は一致しているか。
・ブロック塀の所有権は誰にあるのか。
・ブロック塀はお隣に越境していないか。
・ブロック塀は損壊(倒壊)の恐れはないか。

気が付いたときにこれらを注視していただき安心・安全な不動産なのかを確認していただければと思います。

この記事が皆さんの大切な不動産を安心・安全な価値への一助になれば幸いです。

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