建物表題登記の費用はどれくらいかかるの?専門家への依頼でお得に

「表題登記が必要です」と言われた。
表題登記と言われても何のことかわからないし、いったい費用はいくらかかるのか・・・

このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか?

実際に登記をする際には、現場や法務局等での調査実費がかかりますし、専門家へ依頼するには専門家への費用が発生する場合も出てきます。
しかも、土地建物の大きさや形状によっては費用が変わってくるケースもあります。

そこで今回は、表題登記の費用がどれくらいかかるのかを、①実費費用②専門家に依頼する場合の報酬、という2つの側面から解説していきます。

ぜひこの記事を参考にして、効率的で間違いのない表題登記を実現してください。

1 建物表題登記の費用

建物表題登記の費用はどのくらいかかるものなのでしょうか。

一般に建物表題登記の費用には、「実費費用」と、専門家に頼む場合の「報酬」があり「登録免許税」がかかるのかどうかについても解説していきます。

1-1 実費の費用

建物表題登記にかかる実費の費用としては、①登記情報の調査費、②現地調査の交通費、③提出書類の取得費です。

①登記情報の調査費
登記情報(登記事項証明書、公図、地積測量図など)などを法務局で取得する費用として1,000円~3,000円程度かかります。(調査する範囲、量によっては、前後します)

②現地調査の交通費
現地調査に行くときの交通費や法務局へ相談に行く場合も交通費がかかります。

③提出書類の取得費
提出書類として住民票の費用が200円~300円、建築施工会社から図面や提出書類を取り寄せるのに多少郵送費や交通費がかかります。共有の場合には、共有者それぞれについて印鑑証明書も別途必要です。

法務局へ支払う費用(登録免許税など)はありません。

法務局の調査で必要となる調査実費は以下の通りです。
法務局で取得しても良いですし、インターネットでも取得できます。インターネットで取得した場合は証明書ではなくPDFファイルになりますが、少し安いです。

(法務局で登記事項証明書を取得する場合の費用)
⇒ 法務省のWEBサイトより引用:https://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/

(インターネットで登記情報(PDF)を取得する場合の費用)
⇒ 一般財団法人 民事法務協会のWEBサイトより引用:https://www1.touki.or.jp/service/index.html

 

1-2 専門家に頼む場合の報酬

土地家屋調査士に頼む場合の費用は、調査実費費用も含めて新築一戸建、木造2階建100㎡前後で概ね10万円程度です。

専門家にかかる費用の内訳は、概ね以下の4点です。

① 調査業務法務局で土地の登記記録や公図の調査費用
② 測量業務現地での建物を調査測量する費用
③ 申請手続 法務局への申請手続費用
④ 書類作成業務法務局への申請書類や建物図面、各階平面図の作成費用

(実際の新築一戸建の建物表題登記の見積書)

土地家屋調査士が行う、建物表題登記の業務内容については、土地家屋調査士法第3条(業務)に規定されています。見積り項目の根拠や順番は、この第3条に基づいて様式が定められています。

(土地家屋調査士法第3条の解説)

①調査 ②測量 ③申請手続 ➃書類作成

これら4項目は、土地家屋調査士法第3条に規定があり、平成12年まではその作業単価まで細かく法律で定められていました。それだけ、建物表題登記は政策上とても公共性の高い業務として位置づけられていたということです。現在、報酬規程は撤廃されておりますが、全国的に概ね当時の報酬規定に準じた金額となっていることが多いです。

<専門家に頼んだ場合の費用の変動要因>

専門家に頼んだ場合の費用の変動要因の主なものは、延床面積や階数です。
新築一戸建、木造2階建100㎡前後で概ね10万円程度ですが、延床面積が増える・階数が増えるに比例して費用も増加するのが一般的で、形状の複雑さによっても増減があったりします。

例えば新築一戸建でも、鉄筋コンクリート造3階建500㎡前後の建物表題登記であれば、20数万前後かかります。

床面積 : 大 ↑ 専門家費用 : 大 ↑
床面積 : 小 ↓ 専門家費用 : 小 ↓
階 数 : 多 ↑ 専門家費用 : 大 ↑
階 数 : 少 ↓ 専門家費用 : 小 ↓

大型の注文住宅や別荘、事務所、店舗、賃貸併用住宅、2世帯住宅など様々な目的・形状、種類の建物を新築した場合にも、費用は変動します。一般的な100㎡規模の専用住宅ではない建築物を建築した際は、建築確認申請書、申請図面等を設計者、建築会社から入手して、土地家屋調査士へ見積依頼をするとよいでしょう。

2 専門家に頼む場合と自分で行う場合の比較

建物表題登記の依頼先は土地家屋調査士法人、土地家屋調査士になりますが、自分で調査から図面作成、登記申請をすることも出来ます。

専門家に依頼する場合と自分で行う場合とで比較すると、以下のようになりました。

【費用とかかる時間の比較】

実施方法 費用 かかる時間
自分で実施 〇〇円+現地調査の交通費 32.5時間程度
専門家に依頼 10万円程度〜 4時間程度

専門家が行う時間と自分が行う時間について詳しく解説していきます。

専門家に依頼するのではなく、自分で建物表題登記を行えば、専門家への報酬はかかりませんが、自分で建物表題登記を行う場合と専門家へ依頼する場合とで、その差は、後述するパターンで行くと8倍です。

建物表題登記の流れを確認しながら、どのくらいの時間を要するものなのかこちらの表をみてください。

上記は、法務局へ1回相談して、修正が1回あった場合で、比較的順調に登記完了まで行った想定ですので、申請に至るまでの相談法務局からの書類の修正指示が1回以上あった場合は、各項目で倍以上のがかかっても不思議ではありませんし、この時間内で終わる保証もありません。不動産登記法に沿った内容にならなければ、修正をし続ける必要があります。
一般的には建物図面などに一番時間を要することになります。もちろん手書きでもできますが、専門家はCADソフト(図面作成ソフト)を使用し、図面内の記載事項から線の太さまで規定があります。不動産登記法に沿った内容で作成する必要があるため、法務局に相談しながら、作成するとしても、想定した時間では収まらない可能性もあります。

個人で申請した場合には、法務局の職員が現場を確認に来ますので、この現場調査に対しても対応する時間もかかりますし、法務局の現地調査が入りますので、通常の登記完了予定日(標準処理期間)から大幅にずれます。
また、建物表題登記は建売業者から不動産仲介業者さんを通じて購入するケースや、ハウスメーカーや工務店へ直接注文するケースかどちらになることが多いと思いますが、ローンを使う場合など司法書士、金融機関など多くの関係者が関わる大変重要な手続きとなり、これらの関係者とのやりとりの時間は含まれておりません。

自分で行う場合にかかる時間と専門家に頼んだ場合にかかる時間とを比較すると、圧倒的に専門家に頼んだ方が、時間は奪われません。

安心、安全に建物表題登記を完了させるには、時間の面でも専門家に依頼することをお勧めしますが、自分の時間と専門家への報酬と是非比較して検討ください。

 

コラム:いいとこ取りをするなら登記を自分で直接依頼してみる

専門家同士の報酬の違いは、建物表題登記においては土地家屋調査士、所有権保存登記においては司法書士とそれぞれ専門家が分かれますので、それぞれに違いが生じる場合もあります。

建物表題登記から所有権保存登記や抵当権設定登記までの総額を登記費用として、提示していることもありますので、登記費用として提示されたものがあるなら、提示された登記費用がどの登記金額なのか確認してみて、いいとこ取りで、自分で建物表題登記を依頼してみるのも一案です。

(新築の建物登記に必要な種類と専門家の違い)

建物表題登記についての専門家である土地家屋調査士法人又は土地家屋調査士は、建築会社や住宅販売会社より紹介を受けるケースも多いですが、自分で探して直接依頼することもできます。

契約書で指定されている場合は、直接依頼することが難しいケースもありますが、『建物表題登記は自分で手配します』と営業さんや銀行担当者へ言ってみてください。案外すんなり、了承されるケースも多いと思います。

 

コラム:登録免許税ってどんな時にかかる費用なの?

登記申請時にかかる費用として、登録免許税がありますが、どのような登記にかかってくるのでしょうか。建物表題登記では一通り調査が完了し、建物図面・各階平面図、申請書類を作成すると登記申請となりますが、登記申請時の法務局へ支払う登録免許税は0円です。
登録免許税がかかる登記は権利を保全する、所有権保存登記や、所有権移転登記など権利に関わる登記には登録免許税がかかりますが、建物表題登記には登録免許税がかかりません。

 

3 土地家屋調査士へ直接依頼する場合の注意点

土地家屋調査士へ建物表題登記を依頼する場合の注意点はとにかく、早め早めに動きましょう。

引渡し期日ギリギリですと段取りが崩れ難しいため、少なくとも工事完了予定の1か月半~2か月前には土地家屋調査士へ相談を開始し、書類の準備などをしましょう。

早く依頼して、早すぎることはありませんので、着工した段階ですぐに依頼することもできます。工事完了予定を伝え、早め早めに対応をお願いして準備をすすめましょう。

融資が絡むケースでは、確実に、安心安全に建物表題登記を実行することが何より第一です。月に10件以上、表題登記を申請しているような大型の事務所は、繰り返し登記を行っていますので、あらゆるパターンや状況を経験しており、安心ですし、関係者との連携もスムーズに行えるでしょう。

ご自分で土地家屋調査士法人、土地家屋調査士を手配する場合は、安全確実に登記を実行するためにも信頼できる経験のある事務所を探して手配するようにしてください。

 

4 まとめ

 

建物表題登記の費用は①実費の費用と、②専門家に払う報酬があります。

専門家に頼んだ場合は新築一戸建、100㎡前後の建物表題登記の費用は概ね10万円程度で床面積や形状により変動します。

登記費用として提示された場合は、所有権保存登記などの司法書士費用も含まれている場合もあるため、内容をよく確認しましょう。

建物表題登記を土地家屋調査士へ依頼する場合には、早めに対応し安心安全に建物表題登記を完了させることが大切ですね。

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