見えない境界を見える化する、境界標復元とは何か?徹底解説!

 

このような境界標を見たことがありませんか?

境界標にはコンクリート杭、御影石、金属標、金属鋲、プラスチック杭等色々な種類があり、
その設置方法も土に埋設する方法、ブロック上やコンクリート上に貼り付ける方法等があります。

「境界標」は永続的に存在させるために強固なものをセメントで固めたり、強力なボンドで張り付けたりしていますが、工事等でなくなってしまう場合があります。

このような場合「境界標(筆界)の復元」が必要となります。
この記事では境界(筆界)の専門家である「土地家屋調査士」が「境界標(筆界)の復元」について徹底解説をしていきます。

 

1  境界標(筆界)の復元とは

「境界標(筆界)の復元」とはなくなってしまった「境界標」を新たに設置することを言います。

では、全ての土地が「境界標(筆界)の復元」ができるのでしょうか?
答えは「できません。」
境界(筆界)確定が行われていな土地や法務局に地積測量図が備え付けられていない土地は復元ができません。

では、どのような時に「境界標(筆界)の復元」ができるのでしょうか?

1-1 年代別地積測量図の現地復元性

境界標(筆界)の復元ができるかどうかを判断する方法として、 法務局に備え付けられている地積測量図の作成年を確認することが挙げられます。
作成年が、これからご説明する4つの期間のどの期間かで、 境界標が復元しやすい・できないについて確認することができます。

①平成17年3月7日~の地積測量図は復元しやすい  

平成17年3月7日〜の地積測量図があると、境界標(筆界)の復元がしやすいです。なぜなら、座標が記載されているためです。(平成17年の法改正により、座標の記載が義務付けられました。)

この座標の表記によって、境界標(筆界)の復元がしやすく(現地復元性が高く)なりました。ちなみに、この時点の地積測量図があったとしても境界標(筆界)の復元が100%できるわけではありません。お隣の承諾等の条件が必要です。

②平成5年10月~平成17年3月6日までの地積測量図はケースバイケース  

平成5年10月~平成17年3月6日までの地積測量図の場合、復元できるかどうかはケースバイケースです。 なぜなら、平成5年の法改正で境界標の表記が義務付けられ境界標が表記されている一方で、 座標の記載がなく正確性が欠けるためです。

③昭和52年10月~平成5年9月までの地積測量図の場合は復元が難しい  

昭和52年10月~平成5年9月までの地積測量図は、復元が難しいです。なぜなら、この時の地積測量図では境界標の表記が義務ではなく記載されていない図面が多いためです。 境界立会いを行っていないで作成されている図面も多く、現地復元には向かない図面だと言えます。

④昭和52年9月以前の地積測量図   

昭和52年9月以前の地積測量図は、測量の精度も悪く、境界標の表記も必要とされていないため復元はできない図面です。

境界(筆界)確定の時に作成する「確定図」も、 上記の作成年を確認していただければ現地復元が可能か否かの判断ができると思います。 所有地の境界標(筆界)復元ができるか否かを判断するためには、 まず法務局の地積測量図をご確認ください。 もし②、③、④の期間に作成された地積測量図の場合は、 専門家に相談することを検討してください。

1-2 ブロック塀は境界ではない

ここでは境界(筆界)についてのよくある間違いを解説したいと思います。

ブロック塀などで隣と仕切られているその位置が境界だとお思いの方も多いのではないでしょうか。
それは「所有権の境」で境界(正式には筆界)とは似て非なるものなのです。

では筆界とは何なのでしょう?

「筆界」とは、公法上の線と呼ばれ、土地が登記された際にその土地の範囲を区画するものとして定められた線であり、所有者同士の合意などによって変更することはできません。

公法上の線・・・目に見えませんが筆界は既に決まっているということです。
境界標(筆界)の復元は、この目に見えない線(公法上の線)を様々な資料に基づいて明確にし復元する作業を言います。

1-3 境界標復元したら境界標で境界が見える化される

土地家屋調査士は、官公署・法務局等で保管されている資料に基づき現地を測量及び計算をしてこの目に見えない「公法上の線」を明らかにしていきます。
そして明らかにした「見えない境界」を「見える化」するのが「境界標」です。
境界標には様々な種類があります。

コンクリート杭
金属プレート

                              
この他にも金属鋲・御影石・プラスチック杭などもあります。
境界標は下記の図のように敷地の折れている点に設置します。

この境界標と境界標を結ぶ線を「境界線(筆界)」と呼び、目に見えない線となります。
このように境界標を設置することにより「目に見えない線」を「見える化」することができます。

このように境界標(筆界)がしっかり設置していれば土地の境界(筆界)が一目でわかり安心できます。

1-4 境界標を勝手に抜いたり壊したりすると罰則がある

あまり知られていませんが「境界標」は勝手に抜いたり壊したりすると刑法262条の2
「境界損壊罪」で刑事罰になることもあり得ます。

「境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識
することができないようにした者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」
※刑法262条の2(境界損壊罪)

このように「境界標(筆界)」はお隣との財産界でもあり非常に重要なものであります。
当然、なくなってしまった境界標(筆界)を復元することも簡単にはできません。
では、どうすればなくなってしまった「境界標(筆界)」を復元できるのでしょうか?

次章では「境界標(筆界)」の復元方法をお伝えいたします。

2 境界標(筆界)の復元方法

前章でもお伝えしたように境界(筆界)確定が行われていな土地や法務局に地積測量図が備え付けられていない土地は復元ができません。

では、現地復元可能な「地積測量図」や「確定図」があれば勝手に復元していいのでしょうか?
前章で説明したとおり現地復元性のある地積測量図があれば当然復元は可能ですが、お隣との財産界である境界標(筆界)を勝手に復元することは社会通念上許されることではないと考えます。

これらのことを踏まえた上で復元の方法をフローで説明いたします。

境界標(筆界)の復元は適当に設置すればいいという訳ではないということはお解りいただけたと思います。
次章では「境界標(筆界)の復元」は誰に依頼すればいいのかをお伝えいたします。

3 境界標(筆界)の復元は誰に頼めばいいのか

土地の「境界標(筆界)の復元」は「土地家屋調査士」に依頼してください。

土地家屋調査士法第1条では下記のように規定されています。

「土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家として、不動産に関する権利の明確化に寄与し、もって国民生活の安定と向上に資することを使命とする。」

このように「土地家屋調査士」は土地の筆界を明らかにする業務の専門家とされています。

では、どのような土地家屋調査士を選べばいいのでしょうか?
下記、4つをご参考にしてください。

①相談やお見積りの段階から親身になってくれる
→適正価格の相談、確認、見積り内容の確認、説明

②仕事内容の説明やリスクについて説明してくれる
→考えられる様々なケース、それに伴うリスクの説明

④現場対応を土地家屋調査士がやってくれる
→規定に添い土地家屋調査士、自らが現場対応

⑤ 契約書(委・受託書、注文書)を発行してくれる
→未然にトラブルを防ぐため、約束事を書面に残す

4 境界標(筆界)の復元の費用・期間

4-1 費用について  

境界標(筆界)復元の費用はケースバイケースですが、3つほどご紹介いたします。

① 1点亡失の場合で直近の地積測量図があり、現地に基準点が残存、境界の座標値あり、現地の測量はなし、隣地との立会い容易  8万円(税別)~

② 1点亡失の場合で平成17年3月7日以降の測量図があり、現地に基準点なし、境界の座標値あり、現地の測量あり、隣地との立会いも容易  15万円(税別)~

③ 1点亡失の場合で平成5年~平成17年の測量図があり、現地に基準点なし、境界の座標値なし、現地の測量あり、隣地との立会い容易  22万円(税別)~

御見積書は下記のような様式です。

4-2 期間について

境界標(筆界)復元の期間も費用と同様ケースバイケースです。
費用の時の3つのケースでご紹介いたします。

① 1点亡失の場合で直近の地積測量図があり、現地に基準点が残存、境界の座標値あり、現地の測量あり、隣地との立会い容易・・・5日間

② 1点亡失の場合で平成17年3月7日以降の測量図があり、現地に基準点なし、境界の座標値あり、現地の測量あり、隣地との立会いも容易・・・10日間

③1点亡失の場合で平成5年~平成17年の測量図があり、現地に基準点なし、境界の座標値なし、現地の測量あり、隣地との立会い容易・・・3週間

 

地積測量図現地基準点境界の座標値現地測量隣地立会状況期間金額
1点亡失直近の地積測量図ありありあり容易5日間8万(税別)~
1点亡失H17/3/7以降作成なしありあり容易10日間15万(税別)~
1点亡失H5~H17以降作成なしなしあり容易

3週間

22万(税別)~

 

5 まとめ

境界標(筆界)復元とは、既存の地積測量図に基づき亡失してしまった境界標を復元させる作業です。
復元を依頼する際は以下の5つで費用や期間が決まります。

1,地積測量図の作成年月日
2,測量基準点の有無
3,境界の座標値の有無
4.現地測量の必要性の有無
5,隣地立会いの難易度

ご自分の土地の境界(筆界)は確定済であるか、地積測量図はあるか確認されることを推奨いたします。

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