
「家はリフォームして綺麗になった。でも、その足元にある”土地”のことは何も知らない」 地主様・不動産オーナー様とお話ししていると、こうした声を本当によく耳にします。
多くの方が、ご自身の健康や、目に見える建物の管理には熱心です。
一方で、すべての土台である”土地”の状態が、何十年も点検されていないケースは驚くほど少なくありません。
しかし、土地も放置すれば、確実に”症状”は進行します。
あなたの土地は大丈夫ですか? セルフチェック
- 境界標(杭)が見当たらない、または土に埋もれている
- お隣との境界は「ブロック塀」や「フェンス」だと思っている
- 境界に関する取り決めは、先代からの「口約束」だけだ
- 土地の図面が古い、またはどこにあるか分からない
もし一つでも当てはまるなら、注意が必要です。
その「見えない不調」は、相続・売却・建替えといった重要なイベントのタイミングで一気に表面化し、資産価値だけでなく、ご家族の時間や心の余裕まで奪ってしまうことがあるからです。
私たち土地家屋調査士法人えんが提唱するのは、「土地の健康診断(生前測量)」。
これは単に面積を測るだけではありません。
土地が抱える潜在的なリスクを洗い出し、整え、次世代へ引き継げる「土地のカルテ」として形に残す取り組みです。
なぜ今「土地の健康診断」が必要なのか。
それがなぜ「100年先の安心」につながるのか。
実務の最前線にいる私たちの視点で、わかりやすく解説します。
目次
1. 登記簿の数字をうのみにしない。「土地の体重」は測って初めてわかる

「登記簿に100坪って書いてあるから大丈夫」 そう信じている方ほど、実は注意が必要です。
人間ドックで”隠れた異常”が見つかるように、土地もまた、最新の技術で測ってみて初めて実像がわかります。
特に「古い分譲地」「昔からの住宅地」「先代から引き継いだ土地」は要チェックです。
古い図面・古い測量が”ズレ”を生む
法務局に備え付けられている図面(公図)や古い登記情報は、明治・大正・昭和初期の測量技術を前提としていることがあります。
当時は今のような精度の高い測量機器がなく、どうしても現地と資料の間に”ズレ”が生じてしまいます。
このズレが、次のような「お金の不調」に直結します。
- 固定資産税の適正化 登記簿の地積(面積)より実測面積が小さい場合、払い続けている固定資産税が実態よりも高い可能性があります。実測を行い、地積更正登記を行うことで、将来の税負担を適正化できるケースがあります。
- 売却・融資・相続税でのトラブル回避 登記簿と実測の差が大きいと、売却時に「買主から確定測量を求められる」「融資審査で説明が必要になる」など、取引の前提が崩れることがあります。
土地取引は「寸法の前提」が合って初めて成立します。
サイズ(地積)が曖昧なまま話を進めるのは、採寸せずにオーダースーツを作るようなもの。
後から必ず調整が必要になり、時間とコストが膨らみます。
2. 境界標のない土地は”免疫力が低い”。曖昧さが招く3つのリスク

土地にとっての”免疫力”。
私はそれを、「現地にある境界標(杭)」と「境界の合意書面(筆界確認書)」だと考えています。
これらが見当たらない土地は、ウイルスに対する抗体がない状態と同じで、トラブルに対して非常に脆弱です。
リスク① 「ブロック塀=境界」という危険な思い込み
「塀があるから、そこが境界だろう」という認識は、最も多いトラブルの火種です。
そのブロック塀は、誰が、いつ、どのような意図(自分の敷地内か、中心か)で積んだものでしょうか?
根拠資料がないまま年月が経つと、「塀=境界」という既成事実が固定され、後から真実を証明するのが困難になります。
リスク② “使い続けた”が権利になる(時効取得)
「お隣の物置が数十センチ越境している」「植栽がこちらの敷地に入っている」。
こうした状態を「お互い様だから」と長期間放置すると、民法の「取得時効」により、相手側にその部分の権利を主張される可能性があります。
生前測量で境界を明確にし、書面で残すことは、大切な資産を守るための最強の防衛策です。
リスク③ 災害時に”元に戻せない”
地震や水害で塀が倒れ、地形が変わってしまったとき、頼れるのは「記憶」ではなく「座標(数値)」です。
測量を行い、世界測地系などの座標データとして管理しておけば、万が一更地になってもミリ単位で境界を復元可能です。
杭一本は、単なるコンクリートの塊ではありません。
土地の価値を”守れる状態”にするための、現地のアンカー(錨)なのです。
3. 相続が起きてからでは遅い。生前測量が”最高の予防医療”になる理由

「相続が発生してから測量すればいい」とお考えの方も多いですが、現場を知る私たちからすると、それではリスクが高すぎます。
相続後の測量は、「時間がない」「記憶がない」「関係性が変わる」という悪条件が重なるからです。
子ども世代では太刀打ちできない「隣人との歴史」
境界の話は、最終的に「誰が、いつ、どう合意したか」という歴史の確認になります。
この”温度感”や”経緯”を知っているのは、親世代である皆様です。
元気なうちに「今のうちに境界を整えておきたい」とご自身が動くことで、お隣の方も協力してくれるケースが圧倒的に多いのです。
認知症リスクと意思能力
境界確認は、書面への署名押印を伴う法律行為です。
もし所有者様の意思能力に懸念(認知症など)が生じると、成年後見人の選任が必要になるなど、手続きが一気に複雑化します。
「まだ元気だから」ではなく、「元気な今だからこそ整えられる」のが生前測量です。
相続税申告までの10ヶ月は、想像以上に短い
相続税の申告期限は10ヶ月。
もし納税のために土地を売却しようとしても、境界が未確定であれば売却活動は難航します。
隣接地との協議や、道路・水路といった官有地との立会いは、数ヶ月?半年以上かかることも珍しくありません。
相続後に慌てて着手するより、生前に”健康体”にしておくほうが、結果的に費用も精神的負担も抑えられます。
4. 「土地家屋調査士法人えん」が選ばれる理由

土地家屋調査士事務所は数多くありますが、土地の健康診断に求められるのは「測る技術」だけではありません。
資料の読み解き、近隣との対話、官有地対応、そして登記まで含めた”整えきる力”。 私たち「えん」は、その総合力(人間力)を大切にしています。
【診断力】最新機器と調査力で、現況と履歴を立体的に把握
ドローン空撮や最新の測量機器を駆使し、現況を正確に把握するのは当然のこと。
私たちは法務局の資料や過去の記録を丹念に紐解き、「この土地がどう作られてきたか」という物語(履歴)から、境界の正解を導き出します。
【処方箋】法務・税務の専門家と連携し、解決まで並走
測量で見つかった課題(越境や権利関係の不備など)に対し、解決策を提示します。
必要に応じて弁護士・司法書士・税理士と連携し、
- 越境に関する覚書の締結
- 将来の撤去や承諾の取り決め
- 権利関係・登記の整備
など、現実的かつ法的に有効な”処方箋”を作成します。
【対話力】「えん」をつなぐ、調整のプロフェッショナル
法人名「えん」には、「縁」を大切にするという意味を込めています。
隣接地との境界確認は、時として感情的な対立を生むことがあります。
私たちは単なる技術屋ではなく、人と人との間に入り、お互いが納得できる着地点を見つける「調整のプロ」としても経験を積んでまいりました。
5. 100年残る「確定測量図」は、家族へのラブレター

測量が完了すると、確定測量図、筆界確認書、境界標写真など、土地の状態を公的に証明する資料が完成します。
さらに、地積更正登記を行うことで、登記簿の情報も最新化されます。
完成した「確定測量図」。 これは単なる無機質な図面ではありません。
「面倒な問題は、私の代ですべて片付けておいたよ」 「安心して、この土地を受け取ってほしい」
そんな、親から子へ、子から孫へと受け継がれる、無言の、しかし最も強力な「ラブレター」なのです。
将来、お子様が土地のことで困りそうになったとき、その一冊のファイルが、ご家族の時間と財産、そして心の平穏を必ず守ってくれます。
まとめ:安心という資産を、未来へつなぐために

土地は、持っているだけで資産になるわけではありません。
境界が明確で、権利関係が整い、いつでも活用・処分できる状態であって初めて、「強い資産」になります。
今、あなたの土地は健康でしょうか。
境界標は見えていますか?
資料はそろっていますか?
次の世代に、自信を持って引き継げますか?
私たち土地家屋調査士法人えんは、「100年先まで安心を届ける」ために、土地の健康診断(生前測量)を提供しています。
争いではなく、感謝を相続するために。
不安ではなく、安心を遺すために。
まずは一度、土地の状態を”見える化”してみませんか。
私たちが、あなたの土地のカルテづくりからご一緒します。



